モンハンライズの感想

 あるゲームの何が面白く何がつまらないかを語る準備をせねばならないということで、手始めに手元にあった『モンスターハンターライズ』の感想を書く。短めに書く。
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 総プレイ時間は短かったが、楽しかった。
 コンセプトの方向性としては「思うままに動ける狩りゲー」、あえてタイトルで説明すればゼルダの伝説BotW×モンハン」という印象を受けた。
 
 『ライズ』の特筆すべき点は、『ワールド』で技術的に実現することのできたシームレスフィールドに意味づけをした点だと思う。
 『ワールド』のマップは確かにシームレスだったが、それはリアルな世界観に没頭するために必要な技術に過ぎず、だからゲームシステムとしてはそれまでに存在したロード時間とそれに伴ったストレスが無くなっただけだった。
 それに対し、ライズのフィールドは翔蟲《カケリムシ》による移動を前提とした高低差のあるものになっており、プレイヤーは縦横無尽にマップを駆け回ることができる。あらゆる壁を上り崖から飛び降り、遠くのエリアまで早く移動したり、多様な角度からモンスターにアプローチしたりできるようになった。これまでのシリーズのようにクエストが始まると皆でぞろぞろと同じ道を走るのではなく、それぞれ自由に飛び回ってターゲットモンスターの元に集う楽しさがあった。
 また『操竜』システムもこのシームレスフィールドを良く活用している。四人パーティのうち一人が最初にターゲットではない別のモンスターのもとに向かい操竜する等、マクロな戦略の自由度が以前より増した。

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空を飛ぶガンランサー
 不満な点を挙げれば、この縦と横の自由度が戦闘アクション部分にはあまり生かされていないことだ。特筆すべき自由度の移動に対して、一度モンスターと接近して操竜が終わってしまうと、戦闘中はやや平坦な印象を受ける。あけすけに言えば、結局地べたで戦っている。空中戦に特化した『エリアル』や回避のリターンを高めた『ブシドー』のように多様な戦闘スタイルを選択できた『X』や『XX』の方が戦闘には多様性があったように思う。例えば、各派性技の間に『疾翔け(翔蟲によってやや浮いて高速移動する技)』を組み込むことによってさらにリターンが高くなるようにしたり、壁や空を経由するアクションを追加したりすれば、戦闘中にも幅が出て良いかもしれないと思った。
 また、『ワールド』から消去された《装衣》システムは『ライズ』にも適合的であり、続投しても良かったように感じる(開発チームが異なるらしいので、その辺りの事情もあるかもしれない)。『ワールド』で(マルチプレイで実用的とまでは行かなかったが)それなりに評価された「アサシンの装衣(一撃目の威力大アップ)+狙撃竜弾ボウガン」という一撃離脱戦法は、あらゆる角度からモンスターにアプローチできる『ライズ』ではさらに輝くポテンシャルを感じる。また『ワールド』では忘れ去られた「滑空の装衣(ジャンプの滞空時間アップ)」も、移動の自由度が高い『ライズ』ではうまくブラッシュアップできそうに思える。
 私としては別に問題では無いと思うが、なんとなく感じられているボリューム不足感について、これは『サンブレイク』による解消を期待したい。